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2024年01月04日
こんにちは。私も得意気に使用していますが、「一年の計は元旦にあり」の由来がはっきりしませんでした。
一説には「※①月令げつれい(がつりょう)廣義こうぎ」という書物ということです。
これは、※②憑 應京ひょう おうきょう(フウ オウケイ) により著された書物です。『月令広義』の
歳令「四計」の項に、
「一日之計在晨、一年之計在春、一生之計在勤、一家之計在」
(一日の計は晨(あした)にあり、一年の計は春にあり、一生の計は勤にあり、一家の計は身にあり)という一文が記載されています。
晨は「アシタ」と読み朝のことを指すもので、朝と書くこともあります。春は正月を意味していて、全体では、一日の初めである朝や、一年の初めである正月にこそ計画を立てるべきである、という教訓です。
なお、一日は「イチジツ」と読みます。
その意は、
初頭に計画を立てれば、日々の過ごし方に影響し、
仕事(働き方)で一生に関わり、
身体(健康状態or身の振り方)で一家の命運が決まる、と解釈しました。
このなかの「一日の計」「一年の計」「一生の計」「一家の計」を合わせて「四計」と呼ぶそうです。
また他説には、室町時代に、大名の
毛利元就の言葉(文書)も「一年の計は元旦にあり」の由来とされている様子。
毛利元就が書いた※③手紙に、「一年の計は春にあり、一月の計は朔(ツイタチ)にあり、一日の計は鶏鳴にあり」という記述があります。
朔は、月初めの日のことです。また鶏鳴は、一番鶏が鳴く早朝のことを指す言葉です。
毛利元就の言葉は、一年、一月、一日それぞれの最初のときこそが計画を立てるべきと解釈出来ますね。
最後の説は、※④『百物語』の九、ある人白楽天の三義とて語りシハ
一日計在鶏鳴 鶏鳴不起日課空
一月計在朔 朔日不立一月空
一年計在陽春 陽春不耕秋実空
、という記述や、平賀源内の小説『風流志道軒伝』の一説に「一日の計は朝にあり、一年の計は元日にあり」と記されているのだとか…。
当時の暦は一月〜三月が春なので、拡大解釈をすれば元旦に1年間を見通すのが良いことになります。
私は、不勉強のため、※⑤諸説あることをこの度初めて知りました。元旦と言い換えられた方は、不明ですが、言い得て妙とは、このことかと思いました。正月から勉強になりました。【補足説明】
※① 万暦年間(1573〜1620)に著された中華の伝統的な年中行事・儀式・しきたりなどを解説した本。説話を傍証として多く収録しており、民間伝承を研究する上での貴重な資料となっている。24巻首1巻附録1巻。
※②明の官僚、学者。
※③1558年、長男の毛利隆元に宛てた手紙
※④仮名草子(咄本(はなしぼん))。二巻二冊。編者未詳。1659年(万治2)刊。
※⑤ 正岡子規は「一年は正月に、一生は今に在り」という句を詠んだ。等の関連する逸話が多い。